8. 動詞¶
本章は、Aemondoにおける動詞の基本語形、活用、esti 動詞、自動詞・他動詞の区別、動詞化、不定詞を目的語に取る動詞、および線動詞・点動詞の扱いを定める。
Aemondoの動詞は文の述語の中心となる品詞であり、語形によって自動詞 -iと他動詞 -uを区別する体系を採る。
8.1 動詞の基本¶
動詞は、動作、状態、変化、出来事を表す語である。
Aemondoでは、動詞は意味だけでなく、統語上のふるまいにおいても重要であり、自動詞と他動詞を区別する体系を採る。
動詞の基本語形は次の二種である。
-i:自動詞の基本形-u:他動詞の基本形
この区別は語彙の基本登録に関わるものであり、単に文中で目的語の有無だけによって切り替えるものではない。ある語根は -i 形または -u 形のいずれか一方を基本形として持ち、必要に応じて両方を持つこともできる。
例文
Aemondo: dormi
Esperanto: dormi
日本語: 眠る
例文
Aemondo: vidu
Esperanto: vidi
日本語: 見る
8.2 動詞の活用¶
8.2.1 述語動詞語尾¶
述語動詞は文章のVであり、主語の動作や状態を直接的に表す中心的な動詞である。
述語動詞は動詞基本形 -i / -u に -s を加えた形を基本とする。
-i→-is-u→-us
8.2.2 不定詞¶
不定詞は、動詞の基本形であり、辞書見出し形として用いる。
自動詞は -i、他動詞は -u を取る。
不定詞は、単独で叙述の中心にはならず、主として次のような場面で用いる。
- 他の動詞の後に置かれる補文
- 動詞化された名詞句・内容句
- 前置詞の後
- 見出し語・語彙説明
例文
Aemondo: iri
Esperanto: iri
日本語: 行くこと
例文
Aemondo: deziru studu
Esperanto: deziri studi
日本語: 勉強することを望む
8.2.3 働きかけ形¶
働きかけ形は 動詞の基本形に -k を加えた形を基本とする。
働きかけ形は、単なる命令だけでなく、依頼・勧誘・婉曲・祈願など、相手または状況に対する働きかけを表す。
例文
Aemondo: dormik
Esperanto: dormu
日本語: 眠れ
例文
Aemondo: viduk pa libro
Esperanto: legu la libron / rigardu la libron
日本語: その本を見なさい
8.3 esti動詞¶
Aemondoの esti 動詞は、esti を基本形とする。
これは存在・同定・属性付与に用いられる be 動詞・コピュラであり、主語補語を無標識で取る。文の基本構造としても、SVC では主語補語に特別な標識を付けないことが明示されている。
したがって、esti 動詞では、職業・資格・性質・状態などをそのまま後続させる。
例文
Aemondo: esti kuracisto
Esperanto: esti kuracisto
日本語: 医者である
例文
Aemondo: esti juna
Esperanto: esti juna
日本語: 若い
また、esti は受動表現の形成にも関わるが、受動の詳細は分詞章および関連章で扱う。
8.4 自動詞 -i¶
-i を語尾にもつ動詞は、自動詞である。
自動詞は、主語自身の動作、状態、変化を表す。直接目的語を基本的に取らない。
代表例は次の通りである。
dormi= 眠るsidi= 座るsilenti= 静かでいるrompi= 壊れる
例文
Aemondo: dormi
Esperanto: dormi
日本語: 眠る
例文
Aemondo: silenti
Esperanto: silenti
日本語: 静かでいる
8.5 他動詞 -u¶
-u を語尾にもつ動詞は、他動詞である。
他動詞は、主語が他人または他物に対して及ぼす作用を表す。
代表例は次の通りである。
fermu= 閉めるvidu= 見るhavu= 持つkomencu= 始める
他動詞は動作の対象となる「目的語」が必要であり、通常 pa + 名詞句 を伴う。
例文
Aemondo: vidu pa libro
Esperanto: vidi libron
日本語: 本を見る
例文
Aemondo: fermu pa pordo
Esperanto: fermi pordon
日本語: ドアを閉める
また、ある語根について、自動詞形と他動詞形の両方が必要な場合は、両方を独立した基本語として持つことができる。
ludi= 遊ぶludu= {目的語}の動作をするblovi= {主語}が吹くblovu= {目的語}を吹く
例文
Aemondo: disponi / disponu
Esperanto: disponi / disponi
日本語: 処置をとる / {目的語}を自由に使う
8.6 動詞化¶
Aemondoでは、動詞および非動詞語根から、規則的に動詞を派生させる。
派生の動詞は 主語自身の変化を表す -zi 系 と 他人・他物に変化を起こさせる -su 系 がある。
8.6.1 -zi系¶
-zi 系は、主語自身の変化を表す派生である。
対象は次の通りである。
-i動詞 →-izi-u動詞 →-uzi- 名詞 →
-ozi - 形容詞・副詞 →
-azi
例文
Aemondo: dormi → dormizi
Esperanto: endormiĝi
日本語: 眠りに落ちる
例文
Aemondo: blanka → blankazi
Esperanto: blankiĝi
日本語: 白くなる
8.6.2 -su系¶
-su 系は、他人・他物に変化を起こさせる派生である。
対象は次の通りである。
-i動詞 →-isu-u動詞 →-usu- 名詞 →
-osu - 形容詞・副詞 →
-asu
例文
Aemondo: dormi → dormisu
Esperanto: endormigi
日本語: 眠らせる
例文
Aemondo: blanka → blankasu pa muro
Esperanto: blankigi muron
日本語: 壁を白くする
8.6.3 動詞化の個別規則¶
8.6.3.1. -i 動詞からの派生¶
-izi:主語自身の変化、状態への移行-isu:自動詞の他動詞化・使役化
例文
Aemondo: silenti → silentizi
Esperanto: silentiĝi
日本語: 静かになる
例文
Aemondo: sidi → sidisu
Esperanto: sidigi
日本語: 座らせる
8.6.3.2. -u 動詞からの派生¶
-uzi:他動詞の自動詞化-usu:他動詞の使役化
例文
Aemondo: fermu → fermuzi
Esperanto: fermiĝi
日本語: 閉まる
例文
Aemondo: komencu → komencusu
Esperanto: komencigi / igi komenci
日本語: 始めさせる
8.6.3.3. 名詞からの派生¶
-ozi:〜になる-osu:〜にする
例文
Aemondo: amiko → amikozi
Esperanto: amikiĝi
日本語: 友だちになる
例文
Aemondo: amiko → amikosu
Esperanto: amikigi / fari amiko
日本語: 友だちにする
8.6.3.4. 形容詞・副詞からの派生¶
-azi:〜になる、〜くなる-asu:〜にする、〜くする
例文
Aemondo: rapida → rapidazi
Esperanto: rapidiĝi
日本語: 速くなる
例文
Aemondo: rapida → rapidasu
Esperanto: rapidigi
日本語: 速くする
8.7 動詞不定詞を目的語にとる動詞¶
目的語として動詞不定詞を従える単語がある。
これらは英語では助動詞に相当するが、Aemondoではエスペラントと同じく動詞に含む。
これらは不定詞を続けて一つの述語まとまりを作る語群である。後続不定詞の前に通常 pa を置かない。したがって、これらの語は、原則として 動詞 + 不定詞 の形を取り、不定詞句全体を内容目的語として導く場合でも、通常は強い一体性を保つ。
8.7.1 エスペラントにない語¶
letu は勧誘・提案、dou は明示的命令、melu は婉曲・控えめな申し出、puzu は祈願に関わる。
勧誘 letu¶
**letu**は勧誘・提案に関わる。
文頭では勧誘、文中では提案する・させる方向の意味を担う。
文頭用法¶
Letuk ... は「〜しよう」「〜しましょう」に近い勧誘を表す。
例文
Aemondo: Letuk iri!
Esperanto: Ni iru!
日本語: 行こう。
文中用法¶
文中では提案・勧めの意味を表す。
例文
Aemondo: Mi we letis iri al urbo.
Esperanto: Mi proponas iri al la urbo.
日本語: 私は町へ行くことを提案する。
命令 dou¶
本言語では、命令は基本的に 働きかけ形 -k によって表す。
命令性をとくにはっきり示したいときには、 dou を用いることができる。
文頭用法¶
例文
Aemondo: Douk veni!
Esperanto: Venu!
日本語: 来い。
文中用法¶
例文
Aemondo: Viz douk esti silenta.
Esperanto: Vi estu silentaj.
日本語: みんな静かにしなさい。
dou は命令性を補助的に強める要素であり、通常命令が常にこれを必要とするわけではない。中心的な命令標識はあくまで -k である。
婉曲・控えめ melu¶
**melu**は婉曲・控えめな態度を表す。
melu は、直接的に言い切るのを避け、控えめに申し出る・尋ねる・述べるときに用いる。日本語の「〜したいのですが」「〜してもよいでしょうか」に近い語用論的効果を持つ。
文頭用法¶
例文
Aemondo: Meluk sidi!
Esperanto: Sidu, mi petas!
日本語: 座っていただいても良いですか。
文中用法¶
例文
Aemondo: Mi te melus demandi.
Esperanto: Mi volus demandi.
日本語: お尋ねしたいのですが。
祈願 puzu¶
puzu は祈願を表す。
文頭では祈願表現となり、文中では「祈る」という通常の動詞的意味を表す。
文頭用法¶
Puzuk ... は「〜あれ」「〜でありますように」に相当する祈願を表す。
例文
Aemondo: Puzuk iri al cxielo!
Esperanto: Iru al la ĉielo, mi petas!
日本語: 天へ行けますように。
文中用法¶
文中では、祈るという叙述になる。
例文
Aemondo: Mi te puzus ke paco fe venis.
Esperanto: Mi pregxas, ke venu paco.
日本語: 私は平和が来るよう祈る。
8.7.2 エスペラントから継承する語¶
devu は義務、povu は可能、raytu は許可、volu は意志、deziru は願望に関わる。
義務 devu¶
devu は義務・必要を表す。
devu は、規則・必要性・道義的要請・状況上の必然などを広く表す。
「〜しなければならない」「〜する必要がある」に相当する。
例文
Aemondo: Mi te devus studi.
Esperanto: Mi devas studi.
日本語: 私は勉強しなければならない。
可能 povu¶
povu は可能・能力・状況的可能を表す。
povu は、身体的能力・技能・状況上の実現可能性を広く表す。
「〜することができる」に相当する中心的助動詞である。
例文
Aemondo: Mi te povus kuri.
Esperanto: Mi povas kuri.
日本語: 私は走ることができる。
許可 raytu¶
rajtu は許可を表す。
rajtu は、能力ではなく、規則・状況・相手の承認による「してよい」「許されている」を表す。
したがって、povu と rajtu は区別される。
povu= できるrajtu= してよい、許可されている
例文
Aemondo: Chu mi te rajtus fumi?
Esperanto: Ĉu mi rajtas fumi?
日本語: 私はたばこを吸ってよいですか。
意志 volu¶
volu は意志・希望・つもりを表す。
volu は、話し手または主語の内的な意志・希望・予定に近い意味を表す。単なる客観的未来ではなく、主語側の志向性がある場合に用いる。
例文
Aemondo: Mi te volus studi.
Esperanto: Mi volas studi.
日本語: 私は勉強したいと思う。
願望 deziru¶
deziru は願望を表す。
deziru は、話し手または主語が好ましいことを望む願望の意味を表す。
例文
Aemondo: Pa kio vi te deziris?
Esperanto: Kion vi deziras?
日本語: 何が望みですか。
8.8 線動詞・点動詞¶
Aemondoはエスペラントの動詞を基本引き継ぐ。
その動詞が表す行為が、瞬間的か、継続的なものか分けられたものが線動詞、点動詞です。
線動詞、点動詞は日本のエスペランティスト 阪直 氏が名付けた用語です。
- 線動詞:ある状態・動作が、ある程度続いている
- 点動詞:ある瞬間に起こる、あるいは状態が切り替わる
この章の未確定事項¶
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